「地中海クルーズでおすすめの港 」
クルーズインフルエンサー「ノマドエリ」さんに地中海クルーズについてお伺いしました。第7回
前回の記事では、多くのクルーズ客船がよく訪れる地中海の港の中で、私のお気に入りの港をいくつかご紹介しました。今回の記事では、メジャーな寄港地ではないですが、機会があったら是非行ってほしい私のおすすめの港をご紹介します。地中海クルーズをクルーとして何度も乗船してても1回しか行ったことがないような港も含まれていますので、気に入った港があったら是非バケットリストに入れていただければと思います。
モネンバシア、ギリシャ:
モネンバシアは巨大な岩の斜面に建てられており、中世には強固な要塞でした。まるで中世から飛び出してきたかのような雰囲気で、旧市街の中は全て映画のセットかと思ってしまうほど。旧市街は上町と下町の2つに分かれてあり、下町にある多くの古い邸宅は現在、ブティックホテル、レストラン、ショップに生まれ変わっています。
モネンバシアは大きなクルーズ港ではないのでテンダーボートで上陸します。そこから旧市街まで歩くと15~20分ほどですが、私が訪れたときは桟橋から旧市街までシャトルバスが出ていました。
旧市街は入った瞬間から思わず「おー!」と声が出てしまうほどの雰囲気。中世にタイムスリップしたのか!と思うほどですが、そこに素敵なブティックやカフェがあったりするので更に魅力的になっています。
下町では、石造りの家と壁に囲まれた庭園の間を縫う小さな路地や曲がりくねった階段を探索しましょう。人の家の裏庭のようなところに迷い込んでしまったりしますが、大丈夫。実は旧市街には10人ほどしか住んでおらず、地元のほとんどの人は橋を渡ったすぐ目の前の街に住んでいます。
旧市街を一通り楽しんだら上に上がってみましょう。上町には遺跡と要塞があり、切り立った崖の端に建つアギア ソフィア教会も見どころです。そして多くの人はここで引き返してしまうのですが、体力に余裕があればさらにその上に登ってみましょう。頂上に着くと、沖合に停泊しているクルーズ客船や魅力的な遺跡、モネンバシアとミルトアン海の息をのむような景色を眺めることができます。
バレッタ、マルタ:
バレッタはマルタの首都で、マルタ大包囲中にオスマン帝国の侵略から島を守ることに成功したジャン パリゾ ド ヴァレットにちなんで名付けられました。聖ヨハネ騎士団の軍事要塞だったため、バロック様式の宮殿、庭園、教会など、数々の歴史的建造物が楽しめ、1980年にはユネスコによって世界遺産に加えられました。
クルーズ船が停泊するターミナルからはダウンタウンまでは徒歩10分以内なので歩いて行くことができます。バレッタは丘の上に街があるので、緩やかな坂を上ることになりますが、坂を上りたくない場合はエレベーターを使用することもできます。エレベーターは往復1€で、支払いは現金のみとなります。
おすすめの観光スポットは色々ありますが、個人的に強くお勧めしたいのは、聖ヨハネ准司教座聖堂です。マルタ騎士団が、16世紀にオスマントルコによる攻撃からヨーロッパを守った、キリスト教の勝利の象徴として建てられました。
チケットはその場で購入することもできますが、少しでも待ち時間を無くしたい人は予めオンラインで購入することをおすすめします。私たちはチケット無しで訪れたのですが、オンラインチケットの列には誰も並んでいなかったのでその場でオンラインチケットを購入して早めに入場することができました。
入場料は€15で、オーディオガイドが無料で付いてきます。そしてなんと、オーディオガイドのオプションに日本語も含まれているのが非常に嬉しい!
素朴でシンプルな外観からは想像もできないほど内観は豪華で、入った瞬間から、正直どこを見ればよいのか全く想像もつかないほど全てが見所です。
その中でも見逃せないのは教会で最も有名な芸術作品で、礼拝堂にあるカラヴァッジョ作の洗礼者聖ヨハネの斬首です。オーディオガイドがあるので、カラヴァッジョについても良く知ることができ、より作品を楽しむことができます。
私はこのオーディオガイドのお陰でより深く楽しむことができましたが、時間が全く足りなかったので、最低1時間はこの大聖堂に時間がかかると想定して観光の予定を立てたほうが良いと思います。
ちなみにこの大聖堂の近くには有名なアイスクリーム“Amorino Gelato” があります。アイスクリームをバラの花びらのように盛りつけてくれるので、見た目も楽しめるアイスクリーム。
ただ、お値段がアイスクリームのわりに結構するので、正直YouTubeやインスタグラムなどで情報発信をしてなかったら絶対に食べないのですが、こんな映像映えするならと私は食べてきました!
お味は普通に美味しいアイスクリームですが、急いで食べないとすぐに溶けるので、ゆっくり楽しむならカップを選ぶべきだと思いましたが、そうするとここでバラのアイスを注文する必要がないので、急いで食べるに限ります。
ここの良いところは味を何種類も選べること。味見感覚で普段注文しないお味や挑戦したアイスクリームを気軽に試せるのがおススメポイントです。
ちなみに、動画は撮れましたが、溶ける前に動画も写真も~!と欲張ったため写真はピンぼけしました。
パロス、ギリシャ:
パロス島の首都パリキアは、白塗りの立方体家屋が並ぶ雰囲気のある港です。パロス島は港に接岸できないためテンダーボートで上陸します。このパロス島はサントリーニ島やミコノス島のような雰囲気でギリシャと聞いて思い浮かべると出てくる、そんな光景を楽しむことができます。
この2つの島と大きく違うところは、観光客が少ないこと。ミコノス島とサントリーニ島はギリシャで最も人気の港なので、特にピークシーズンはたくさんの観光客が押し寄せます。ただパロス島には大きなクルーズ船が何隻も頻繁に訪れるわけではないので、クルーズ船で来たとしてものんびりとした雰囲気を楽しむことができます。
大きな港街ではないですが、おしゃれなブティックショップやレストラン、カフェがあちこちにあります。
見どころは古いヴェネツィアの邸宅やギリシャで最も保存状態の良い古キリスト教(4世紀から6世紀)教会の1つであるパナギア エカトンタピリアーニ修道院(ビザンチン博物館)。
パロス島は、サントリーニ島、ミコノス島、ナクソス島からフェリーですぐの距離にありますので、クルーズ以外でゆっくりする方は、島巡りの旅程に加えても良いと思いますよ。
ヴィルフランシュ・シュル・メール、フランス:
コート・ダジュールにあるバカンスなどの保養地で世界でも美しい湾の1つとして人気です。
クルーズ船は港に停泊できないため、テンダーボートを使用して下船します。旧市街は桟橋のすぐ目の前で、非常にカラフルで、どこを歩いても写真を撮りたくなります。
私が訪れたときは、午後から仕事だったため午前中しか時間がありませんでしたが、友人と写真を撮りながら旧市街を歩き、のんびり過ごしましたが、それでも1時間ほどで旧市街を回ることができました。
コンパクトな街なので、このヴィルフランシュ・シュル・メールだけに行って、忙しい地中海クルーズ中の“休憩地”として選んでも良いですし、個人でニースやモナコに行っても良いと思います。
ちなみに駅は港から徒歩約10分くらいのところにあります。余談ですが、日本人のお客様も自分でニースまでバスで行って電車で帰ってきた方もいらっしゃいましたよ。
というわけで、今回は地中海クルーズでも少しレアな港をご紹介いたしました。これ以外にも素敵な港がたくさんありますので、是非1回とは言わず、2回3回といろんな航路で地中海を探索してみなさんのお気に入りの港が見つかればと思います。
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